私スタイルのジュエリー

《blog》YKコレクションの誕生はハスケルブローチとの衝撃的な出合いから2016.04.14

私が この世界に嵌り込んだきっかけとなったのは ミリアム・ハスケルのブローチとの出会いでした。メタルで作られた台座に模造パールやガラスに細いワイヤーを通してとめるようにして作られた緻密な細工が施されたブローチ。宝石や貴金属を使って作られたアンティークジュエリーを扱っていた私にとって この不思議なフェイクのジュエリーは何ともいえない新鮮な魅力を感じさせる物でした。鏡の前で胸に当ててみると 立体感が出てぐっと引き立ちます。平らに置いてあった時に感じた大きさも全く気になりません。こうして衝撃的な出合いをしたハスケルのコスチュームジュエリー。それからベーシックな3連パールのネックレスやソートワールと呼ばれるロングのネックレス、セットジュエリーとコレクションが増えていきました。そして自分だけのコレクションに留まらず、この魅力的な世界を一人でも多くの現代の素敵な女性たちに紹介したいという気持ちで YKコレクションをスタートしました。

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ハスケルの作品(どうしても商品と言うのには抵抗があります)を見ていると、複雑でアンバランスで時に危なささえ感じさせる不思議な魅力を持つデザインの物も数多く、この辺がハスケルファンを引きつけて離さない部分なのではないだろうかと思います。眺めているだけでもため息が出てしまうゴージャスなセットジュエリーからベーシックな物まで、実に豊富なデザインが作られていますが、ハスケルのジュエリーは身に着けてみると見かけとは異なり、不思議と身体に馴染むものが多いのです。デザインは一見 大胆で複雑に見えるので 最初は「とても着けられない!」と思ってしまいますが、実はそうではありません。構造と色彩 そして素材が見事に調和するように計算されて作られているためか、着けてしまうと案外しっくりと落ち着いた印象になります。そして何より楽しいのは着けている人に一種独特の高揚感を与えてくれることです。これがやはり何と言ってもジョン・クロフォードを始めとする当時の多くのハリウッド女優やセレブリティだけでなく、現在人である私たちにとっても人気のあるブランドとなっているゆえんではないでしょうか。

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ハスケルジュエリーに魅了されるのに時間はかかりません。もちろん趣向の違う人にはどうやっても無理な話ですが、「おとぎ話好き」の女性だったら年齢を問わず、その作品を見ただけであっという間に虜になってしまうはずです。実際YKコレクションの展示会でも毎回そういう体験をしています。以前 青山のギャラリーで展示会を開催した時、ウィンドウディスプレイのハスケルのセットジュエリーを見て興味を持ち、中に入って来られた20~30代の女性がいました。何点か見てもらったり本の写真を紹介すると、たちまちその魅力に取りつかれてしまったようでした。もちろんすぐに衝動買いできる価格ではありませんが、ハスケルジュエリーの存在を知ってもらうことができただけでもよかったと嬉しく思っています。

ハスケルのジュエリーは残念ながら その繊細な作りゆえに、現存のピースでコンディションの良い物を見つけるのが年々難しくなっています。それに比べ人気は上がる一方なので 価格も高騰しているのが現状です。昨今ではパールのネックレスなども驚くほど手に入れやすい価格で販売されていますから、それらと比較するとハスケルジュエリーの価格は決してお手頃とは言えません。ここから先は皆様がどこに価値を見出すか。自分にとってのハスケルジュエリーをどう評価するかにかかっているのではないかと思います。

こちらはこれまでにYKコレクションからお嫁入りしたセットジュエリーの中でも私の印象に残っている物。オンラインショップでの販売だったので どんな方がお求め下さったのか分かりませんが、きっとご愛用いただいていることでしょう。機会があったらお会いしてみたいです。

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さて、ハスケルについてはデザイナーのコーナーでも紹介していますが、興味を持たれた方におすすめしたいのがこちらの本です。ハスケルについては何冊か出版されていますが、写真が美しく時代を追ったデザイナー別に構成されているのも興味深いです。 同書の中に載っているジョン・クロフォードの写真。ハスケルの熱烈なファンであったクロフォードのコレクションは膨大な物であったと言われています。ゴージャスな毛皮に四連ネックレスとイヤリングを身に着けた姿は さすが大女優ならでは! また右の写真は1960年のヴォーグに載った写真です。

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